多彩な文献の博捜により、これまで確認されていなかった新資料から中国の博物館学の黎明期について論じた独創的な考察。
また、大正・昭和前期に棚橋源太郎によって著しい発展を遂げた日本の博物館学史との比較検討から、日中の博物館学史に新たな視点を提示する。
張 哲(ZHANG ZHE)
1988年 中華人民共和国陝西省西安市生まれ。
國學院大學文学研究科史学専攻博物館学コース博士課程後期修了。博士(歴史学)
主な論文
「西安市における行業博物館及び博物館理事会制度に関する一考察」(『全博協研究紀要』第20・21合併号、2019年)
「中国最古の博物館に関する一考察」(『国史学』第228号、2019年)
「棚橋源太郎と費耕雨の博物館学上の関わりについて」(『21世紀の博物館学・考古学』雄山閣、2022年)
「清末の開明派官僚による博物館設置論に関する一考察」(『國學院大學大學院紀要―文学研究科―』第52輯、國學院大學、2022年)
序章 先行研究及び研究の視座
第一章 用語の定義及び本研究の構成
第二章 先行研究史
第三章 中国博物館の祖型
第四章 中国での博物館創立史
第五章 中国最古の博物館としての“碑林”の提唱
第六章 中国博物館学史の研究
第七章 棚橋源太郎の博物館学思想から中国初の『博物館學概論』へ
第八章 中国博物館関係法規史
付編 「博物館条例」の頒布に伴う理事会制度の展開