「伊勢神宮」はいつどのようにして成立したか―
成立時期、成立地、成立要件をめぐって議論百出する「伊勢神宮」―その解明に考古学はどこまで迫れるか。
内宮神域出土滑石製模造品や高倉山古墳などの神宮関係考古資料を南伊勢の考古学的状況の中に位置づけて、神宮創始の実相に迫る。
各章に補説を設け最新研究成果を展開
■著者紹介
穂積裕昌 (ほづみ ひろまさ)
1965年 三重県生まれ
1989年 同志社大学文学部文化学科文化史専攻卒業
2012年 同志社大学にて博士(文化史学)学位取得
現在 三重県埋蔵文化財センター所長
〈主要著書〉
2001年 金子裕之編『日本の信仰遺跡』(雄山閣、共著)
2004年 寺村光晴編『日本玉作大観』(吉川弘文館、共著)
同年 寺沢薫編『考古資料大観』第10巻(小学館、共著)
2005年 奈良県立橿原考古学研究所附属博物館編『水と祭祀の考古学』(学生社、共著)
2008年 森浩一編『海人たちの世界―東海の海の役割―』(中日出版社、共著)
同年 菅谷文則編『王権と武器と信仰』(同成社、共著)
2009年 森浩一編『東海の神々をひらく』(風媒社、共著)
2010年 八賀晋編『伊勢・伊賀の古墳と古代社会』 (同成社、共著)
2012年 広瀬和雄・和田晴吾編『講座日本の考古学 第8巻 古墳時代下』(青木書店、共著)
同年 『古墳時代の葬送と祭祀』(雄山閣)
2013年 『伊勢神宮の考古学』(雄山閣)
同年 一瀬和夫ほか編『古墳時代の考古学6 人々の暮らしと社会』(同成社、共著)
2017年 『船形埴輪と古代の喪葬 宝塚一号墳』(新泉社)
2018年 宇野隆夫編『モノと技術の古代史 木器編』(吉川弘文館、共著)
同年 岡田莊司編『古代文学と隣接諸学7 古代の信仰・祭祀』(竹林舎、共著)
2020年 前園実知雄・今尾文昭編『森浩一古代学をつなぐ』(新泉社、共著)
2022年 『大嘗祭の考古学―考古学からみた古代祭祀2』(雄山閣)
第一章 神宮成立をめぐる研究史と論点
第二章 神宮成立に関する考古学的論点
第三章 アザカ山とサルタヒコ―伊勢の在地信仰の可能性―
第四章 南伊勢の古墳時代―首長墳の消長とその背景―
第五章 神島と多気郡―神島・八代神社所蔵品をめぐる諸問題―
第六章 考古学からみた伊勢神宮の成立
第七章 伊勢神宮からみた考古学
終 章 伊勢神宮と仏教浸透―伊勢大神宮寺から経塚造営―
第一章~終章 補説