関東大震災から100年
本書は関東大震災から半世紀を経た1973年に、当時はまだ埋もれていた膨大な史資料を博捜し貴重な写真・図版約150点とともに紹介。甚大な被害の全体像とその後に及ぼした影響を詳述した大震災研究の基本文献である。
特に第4章「流言・デマと虐殺の実証的研究」と第5章「復活する軍国主義」では、震災直後に発生した悲惨な虐殺事件の真相を克明に探究している。
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中島 陽一郎(なかじま よういちろう)
大正9年(1920)東京に生れる。
昭和18年(1943)慶應義塾大学卒業。
東亜研究所調査員・衆議院参事・国立国会図書館主査などを歴任。
主な著書に『新憲法縦横』『日露海戦物語』『病気日本史』『飢饉日本史』ほか。
平成12年(2000)8月逝去。
はじめに
第1章 抹殺された予言
1 愛妻に「墓前の報告」を遺言した今村東大助教授
2 奇才特有のカンで大震災を予言した芥川龍之介
第2章 大震災の歴史的意味
1 直撃する金融恐慌!
2 チャンスをつかんだ軍国主義
第3章 東京が燃える!
1 決死的な震災第一報
2 火責め水責め戦慄の大竜巻
3 短命に終わった「地震内閣」
4 ローソクとパンの原始生活
5 大震災の不幸な世界記録
第4章 流言・デマと虐殺の実証的研究
1 流言飛語のほんとうの意味
2 必殺仕掛、デマの極秘源
3 流言マッタ!
4 恐るべき群集心理の実態
5 デマがデマを生む!
6 朝鮮人暴動! の真相
7 虐殺の謎? 二人か一万か?
8 内外人の論評と反省
第5章 復活する軍国主義
1 牙をむきだした軍部
2 兵士の銃剣に散った亀戸事件
3 消された革命家・大杉 栄
第6章 復興に江戸ッ子の心意気
1 ホラ吹きといわれた後藤新平
2 江戸ッ子ハッスル
おわりに/おもな参考文献/〈付〉地震の心得五ヵ条