マーケティングの分野で軽視されてきたファッション・デザイナー達の経済的行為を、その歴史を遡って分析し、多くの「ブランド」論議に影響を与えた画期的名著がついに復刊。
ここで本書のマーケティングの定義を再確認したい。すなわちそれは、「マーケティングとは、新規市場開拓を最大の課題とし、この課題を新しいオリジナリティの提示とそのオリジナリティへの需要喚起により成し遂げる企業行動」というものである。「ファッションの」黄金時代において、オートクチュール・デザイナー達は間違いなくこうした意味のマーケティングを実践した。……「むすび」より
塚田朋子(つかだ ともこ)
昭和30(1955)年、栃木県栃木市生まれ。
慶應義塾大学(最終学歴大学院商学研究科博士課程)卒業。
現在 東洋大学名誉教授。
【主要著書】
『サービス・マーケティングの新展開』(共編著)同文舘出版、1993年。
『サイバーマーケティング』(共編著)中央経済社、2001年。
『企業ブランドと製品戦略』(共編著)中央経済社、2003年。
『ファッション・マーケティング』同文舘出版、2009年。
『ファッション・ブランドとデザイナーと呼ばれる戦士たち』同文舘出版、2012年。
『新版 ファッション・マーケティング』(編著)同文舘出版、2013年。
第1部 「ファッションの」黄金時代
序 章 本書の課題と構成
第1章 ウォルトとビジネスモデルとしてのオートクチュール
第2章 ベル・エポックの女性とポール・ポワレ
第3章 オートクチュール以前の歴史のあらまし
第4章 ココ・シャネル、新時代の女性経営者
第2部 黄金時代終焉の序曲
第5章 ポール・ポワレの敗北、「CHANEL」の成長
第6章 20世紀初頭のマーケティング研究者達
第7章 ファッション・マーケティングの嚆矢ナイストロムの功罪
第8章 紳士用既製服に関する若干の考察
終 章 「ファッションの」マーケティング