日本における古代都城(藤原京・平城京・長岡京・平安京)の研究について、最新の発掘調査・考古資料を集成・分析し「宅地」に注目。
「宅地」の実態とその変遷から、古代都市の構造・律令国家による統治の実態と変遷を、著者独自の視点から明らかにする。
家原 圭太 ( いえはら けいた)
1981年 京都市生まれ
2004年 天理大学文学部卒業
2006年 京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了
2007年 京都市文化市民局勤務 現在に至る
2022年 京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了 博士(人間・環境学)
主要著書
「平城京における宅地の構造・分布・変遷」西山良平、藤田勝也編『平安京と貴族の住まい』京都大学学術出版会、2012年。
「古代都城の条坊と地方官衙の方格街区」『日本考古学』第41号、2016年。
「平安京の邸宅分布と園池」『古代文化』第68巻第3号、2016年。
序 章 はじめに
第1章 大規模宅地と京内官衙
第1節 京内諸施設と宅地/第2節 京内官衙の諸類型/第3節 各都城の京内官衙/第4節 離宮と宅地/第5節 小結
第2章 文献史料からみた宅地のあつかい
第1節 宅地班給/第2節 宅地の規制/第3節 班給後の宅地のあつかい/第4節 宅地の公的要素/第5節 小結
第3章 大規模宅地の中枢施設
第1節 大規模宅地中枢部の構造/第2節 中枢施設の建物配置/第3節 寝殿造り成立についての諸問題/第4節 小結
第4章 藤原京宅地の特徴
第1節 宅地割の実態/第2節 一坪分割利用の建物構成と井戸/第3節 京の立地と宅地の分布/第4節 小結
第5章 平城京の宅地構造
第1節 宅地と条坊道路/第2節 宅地割とその変遷/第3節 宅地の分布とその変遷/第4節 大規模宅地の特徴/第5節 小結
第6章 平城京の建物構造と規模
第1節 建物構造と規模の諸例/第2節 諸施設の特徴と比較検討/第3節 小結
第7章 長岡京の土地利用
第1節 長岡京の立地と下層遺跡/第2節 長岡京の土地利用/第3節 平城京・長岡京・平安京の比較/第4節 小結
第8章 平安京の邸宅分布と園池
第1節 先行研究と本章の視点/第2節 平安京遷都以前/第3節 宅地分布と園池/第4節 平安京邸宅の構造(園池を中心に)/第5節 小結
第9章 四行八門制と小径
第1節 先行研究と本章の視点/第2節 小規模宅地と四行八門制/第3節 小径による敷地の細分/第4節 小結
第10章 中小規模宅地の居住施設と居住形態
第1節 先行研究と本章の視点/第2節 小規模宅地における居住施設/第3節 小規模宅地の居住人数/第4節 小規模宅地の変遷/第5節 小結
付章1 奈良時代貴族邸宅におけるトネリの居住施設
第1節 長屋王邸の構造と居住者/第2節 建物構造の比較/第3節 長屋王邸SB四八〇〇の性格と居住人数/第4節 京内宅地の類似例/第5節 小結
付章2 京内宅地のクラ
第1節 京内宅地の総柱建物/第2節 京内宅地のクラ/第3節 小結
終章 おわりに