考古学・博物館資料のデジタル化は記録、保存、公開共有の新しいあり方や利用者の特別な体験をもたらす。
博物館DXの背景や考え方、世界的な動向や日本での取り組みの現状がわかる初めての書! 多くの企業により新たな技術やサービスも紹介!
野口 淳 NOGUCHI Atsushi
公立小松大学次世代考古学研究センター 特任准教授/産業技術総合研究所 外来研究員
1971年生まれ。明治大学大学院文学研究科博士後期課程退学
【主な著作・論文】
『イスラームと文化財』新泉社(共編著)
『考古学・文化財デジタルデータのGuides to Good Practice』奈良文化財研究所(共訳)
「デジタルアーカイブス時代の文化財3次元計測」『日本画像情報学会誌』62(1)
「文化財・歴史資料を3Dで記録する」『多摩のあゆみ』191
「遺跡・埋蔵文化財包蔵地・遺跡地図―現状と課題・展望―」『日本考古学』5
村野正景 MURANO Masakage
静岡大学学術院情報学領域 准教授/京都府京都文化博物館 特別研究員/公立小松大学次世代考古学研究センター 特任准教授
1978年生まれ。九州大学大学院比較社会文化学府博士課程退学
【主な著作・論文】
『京都文化博物館別館 重要文化財建造物 旧日本銀行京都支店のいま・むかし・みらい』京都府京都文化博物館(単著)
『「学校博物館」を成長させる―京都府立鴨沂高等学校所在資料の発見と活用II―』学校資料研究会・京都府立鴨沂高等学校京都文化科(編著)
「ソーシャル・キャピタルと博物館―ウイズ・コロナ時代の社会貢献を目指して―」『資料と公共性2022 年度研究成果年次報告書』九州大学大学院人文科学研究院
「学校で資料に出会う、気づく:資源化の実際と今後の活動可能性」『文化資源学』20
「文化遺産の継承そして創造へ―参加型考古学を試みる」『過去を伝える、今を遺す―歴史資料、文化遺産、情報資源は誰のものか』九州史学会・公益財団法人史学会
博物館DXと次世代考古学 目次
1 博物館DX の理論と制度
まえがき 本書の趣旨(村野正景)
次世代考古学とは何か―小松大学次世代考古学研究センターとホンジュラスの博物館への協力(中村誠一)
博物館DXの課題と展望(中尾智行)
文化政策の転換と博物館の役割(朝倉由希)
2 博物館DX の実践と展開
次世代技術が変える未来の考古学・博物館(野口 淳)
ミュージアムDXと社会的課題―京都府京都文化博物館の実践と展望(村野正景)
収蔵資料のデジタル化と仲間づくり―石棒クラブと飛騨みやがわ考古民俗館の取組み(三好清超)
自然史系資料のデジタル公開と課題(佐久間大輔)
文化資源のデジタル化・公開手法の開発―立命館アート・リサーチセンターの運用と展開(矢野桂司・赤間 亮)
博物館デジタルアーカイブとジャパンサーチでつくるエコシステム(阿児雄之)
デジタルアーカイブで広がる寺社史料の可能性―菅公御神忌1125年半萬燈祭に際する『北野文叢』のデータベース公開(西山 剛)
DX時代の資料・情報管理専門職とはどのような存在なのか(岡崎 敦)
3 最新のDX技術
Volumetric Video―無形文化財のアーカイブとその活用(中川源洋)
赤外線カメラ【IRシステム】―8,000万画素の高精細な赤外線画像(宮田正人)
点群データ活用ソフトInfiPoints―3D立体視ディスプレイがもたらす新たな展示体験(中川大輔)
3DスキャンアプリScaniverse―AR体験へつながる3Dモデルの可能性(白石淳二)
ニコンZ8・Z6Ⅲ・ZfによるピクセルシフトとHDR撮影―高解像度一辺倒から+高演色・高質感描写への展開(片山 響・堀内保彦)
広域・景観フォトグラメトリ― ランドスケープの再現(嘉本 聡)
デジタルアーカイブシステムADEAC―デジタルアーカイブの構築のこれから(田山健二)
I.B.MUSEUM SaaS―博物館デジタルアーカイブのプラットフォーム(内田剛史)
ARタイムマシーン―博物館で体験する時空の旅(町田香織)
文化財建築3Dアーカイブ―フォトグラメトリとレーザースキャナの場合(平山智予・長坂匡幸)
みんキャプ―市民参加型の3Dデジタルアーカイブ活動(久田智之)
文化財BIMとXRプラットフォームSTYLY― 建築デジタルアーカイブのXR活用(桑山優樹)
4 ディスカッション 博物館DXのいまとこれから
モデレーター 関 雄二/パネラー 中村誠一・中尾智行・朝倉由希・村野正景・野口 淳