2013年10月26日から28日にかけて、金沢市で開催された地方史研究協議会第六四回(金沢)大会の成果論集。
金沢を中心にして近世・近代に数多く創出される“伝統”。古代から現代の歴史を通して、その
“伝統”が生み出されていく歴史的背景や地域的特質について検討する。
序 文 松尾美惠子
Ⅰ 〝伝統〞を創り出す舞台の形成
「能登国大田文」をめぐって 東四柳史明
曹洞禅宗の地方展開とその住持制
―永平寺・總持寺の両本山を中心に―(廣瀬 良弘)
加賀立国の史的意義 (森田喜久男)
戦国期加賀国の非真宗寺院について
一山代荘慶寿寺と一向一揆・本願寺―(石田 文一)
戦国期能登七尾城下町と湊町
―能登畠山氏の戦国期の政治拠点について―(善端 直)
Ⅱ 加賀・能登・金沢の地域展開と〝伝統〞
中近世移行期における能登の寺社勢力と地域社会 (塩崎 久代)
中世・近世の地域支配と和歌・連歌の奉納
―白山比咩神社奉納『白山万句』を中心に―(鶴崎 裕雄)
近世能登の職人について
―七尾大工とその周辺―(和田 学)
近世加越能地域における祭礼と芸能興行(塩川 隆文)
近世金沢の医療
―〝伝統〞の礎と社会史的意義を探る―(池田 仁子)
Ⅲ近代における〝伝統〞の創出
明治初年加賀藩政における職制改革の特質 (宮下 和幸)
「大金沢論」と「市民」意識の涵養
―第一回金沢市祭の政治的背景―(山本 吉次)
「風景」化するマガキ
―秘境ツーリズムと能登半島―(大門 哲)
第六四回(金沢)大会の記録 大会成果刊行特別委員会
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