東アジアの青銅器文化の進展によって、これまでの弥生青銅器研究は大きな転換点にある。起源・年代・系譜、生産と流通、儀礼と墓について新知見から何がわかるのか。最先端の研究成果にせまる。
本号の編集協力者 ─ 小林青樹(奈良大学文学部文化財学科教授)
1966 年群馬県生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。博士(文学)。著書に『縄文・弥生移行期の東日本系土器』,『縄文・弥生移行期の石製呪術具1』などがある。
東アジアの青銅器文化研究の現状と課題 小林青樹
起源・年代・系譜
東アジア青銅器文化の潮流 宮本一夫
東北アジア青銅器時代の年代 石川岳彦
中原青銅器文化の展開 角道亮介
北方ユーラシア(ロシア東部・モンゴル) 松本圭太
内蒙古・長城地帯の青銅器文化 小田木治太郎
遼寧青銅器文化 小林青樹
東端の遊牧民 中村大介
ロシア沿海地方の青銅器時代 木山克彦
韓半島の青銅器文化 宮里 修
東南アジアの青銅器文化 新田栄治
日本列島の初期青銅器文化 吉田 広
生産と流通
黄河・長江流域の青銅器生産技術 丹羽崇史
東北アジアの青銅器生産技術―近年の出土資料について― 田尻義了
銅鐸の価格 難波洋三
儀礼と墓
韓半島の青銅器副葬 村松洋介
弥生時代の青銅武器副葬 常松幹雄
銅鐸の埋納 春成秀爾
コラム 東大杖子遺跡 李新全
コラム 春川中島環壕集落―韓国最大の青銅器時代遺跡― 李亨源
最近の発掘から
弥生時代中期の石製・土製の青銅器鋳型
―福岡県春日市須玖タカウタ遺跡 森井千賀子