考古学調査の成果から京焼の実像を解明――
伝世品を対象にした作品・作家研究に対し、遺跡から出土した遺物を対象に「京焼」の定義を明確にしたうえで編年案を提起し、その歴史的変遷と意義を明らかにする。
■著者紹介
角谷江津子(すみや えつこ)
和歌山県和歌山市に生まれ、大阪府高石市で育つ。
同志社大学文学部美学芸術学科卒業。
同志社大学大学院文学研究科文化史学専攻博士課程前期修了。
現在 同志社大学文学部非常勤嘱託講師。
同志社女子大学現代社会学部非常勤嘱託講師。
《主要論文》(本書関連以外)
「出土資料にみる太田焼」『和歌山市立博物館研究紀要』15 和歌山市立博物館 2001 年
「佐井寺焼について―採集資料の分析を中心に―」『吹田市立博物館館報』4(平成14 年度 2002 年度)吹田市立博物館 2004 年
序〈松藤和人〉
序章 研究史
第1章 京焼以前―寺院址出土の天目碗 相国寺 京南蛮寺 信行寺―
第2章 京焼の生産―近世京都における窯業生産の開始―
第3章 肥前京焼風陶器と京焼
第4章 同志社校地出土の京焼―その組成と年代観―
第5章 近世京都出土の信楽焼と京焼
第6章 平安京左京北辺四坊(公家町遺跡)出土の京焼
第7章 禁裏御用品としての京焼
第8章 常盤井殿町遺跡(旧二條家邸跡)出土の京焼
第9章 近世京都出土の京焼―その編年―
終章 近世考古学の発展が京焼研究にもたらしたもの
付篇Ⅰ 遺跡出土の「小町紅」銘紅容器―小町紅の流行と江戸時代後期の紅化粧―
付篇Ⅱ 旧柳原邸遺構と草創期の同志社女学校―出土陶磁器が語る京都の近代―