遙か昔から現代まで、妖怪・怪異は常にわれわれと共にある。
江戸時代は正に蜜月と言ってよく、歌舞伎や浮世絵など様々なところに妖怪たちが顔を出す。文化的側面を中心に、人と妖怪の関わりを鮮やかに描き出す。
妖怪人気の秘密を解き明かす名著を復刊!
阿部主計【あべ かずえ】
慶應義塾大学文学部国文学科(旧制)卒業。日本推理作家協会名誉会員、戦後探偵文壇の各賞の予選委員等をつとめる。探偵小説、怪奇小説の翻訳紹介に努める傍ら、伝統話芸や講談についての研究を行う。
第一章 日本的怪物の原型
おばけ・死せず、かくれるのみ・ぬし・死者の容姿・亡者と鬼・つきもの
第二章 王朝時代の怨霊たち
魂は宙を飛ぶ・たまよばい・百鬼夜行・金毛九尾・さむらいは強い・晴明と小角・血のあけぼの
第三章 妖怪紳士録
空想の復讐・「いわ」と「かさね」と「きく」・足と柳・完成された妖怪たち・お化けは楽し・再び血のあけぼの
第四章 現代と妖怪・幽霊
しんけいびょう・幽霊の復活・郷愁の美学・見たよ見ましたネオンの陰で・ゴジラは誇る