枕や布団。
きわめて身近で、使うことが当たり前になっている寝具たち。
だが、それほど身近な存在でありながら、われわれの祖先がいつ頃から、どのように寝具を使い始めたのかを知る人も、思い馳せる人も少ない。
日本人と寝具、そして寝所との関係をまとめた名著を復刊!
はじめに
第一章 上古・上代の寝所と寝具
原始住居と寝室
上古・上代のタタミとフスマ
トコという言葉の問題
上古のマクラとクシゲ
フセヤ(臥屋)・ネヤ(寝屋)・ツマヤ(妻屋)
妻問いの風俗
同床共殿の意味
天皇の高御座と寝具の関係
第二章 平安・鎌倉時代の寝室と寝具
寝殿造の構造
塗籠の役割
御帳と帳台
王朝時代の就寝風俗
フスマとヒタタレ
コモ・ムシロ・シトネ・タタミ
第三章 室町時代から現代まで
中世住宅の寝室と帳台構
室町時代の就寝風俗
安土桃山時代の寝具
フトンの歴史
近世庶民の寝具
近代の生活と寝具
結びにかえて―未来への展望と課題―
あとがき