近畿地方・九州地方を中心に、中国地方、東海地方、関東地方の横穴式石室を類型化しその伝播の様相を検討し、そこから、古墳時代社会組織のあり方を推論する方法論を提示し、実践する。
時代を越えて、遺構という考古資料の性質と研究法を問い直す。
太田宏明(おおた ひろあき)
昭和48 年生まれ
1998 年 関西大学大学院文学研究科博士課程前期課程修了 博士(文学)
現在、河内長野市教育委員会 文化財保護活用係長
〈主な論文〉
「畿内型石室の属性分析による社会組織の検討」『考古学研究』第46 巻第1 号
「畿内型石室の変遷と伝播」『日本考古学』第15 号
「考古資料の分類単位と過去の社会組織」『考古学雑誌』第94 巻第2 号
〈主な著書〉
『古墳時代の考古学』同成社(共著)
『東日本の無袖横穴式石室』雄山閣(共著)
『畿内政権と横穴式石室』学生社(単著)
序 章 遺構の伝播による社会的事象の復元
第1部 横穴式石室の形態・形質に関する分析と検討
第1章 遺構を構成する属性
第2章 属性が示す考古学的事象
第3章 横穴式石室における分類単位と過去の社会的事象
第2部 横穴式石室の存在に付帯する状況に関する分析と検討
第4章 横穴式石室地域類型の分布境界領域
第5章 横穴式石室地域類型の伝播について
第6章 横穴式石室地域類型と過去の社会的事象
~西日本・東海地方の資料を中心として~
終 章 横穴式石室の伝播からみた古墳時代の日本列島