「間(あわい)」― 地域を構成する様々な要素から成り立つ。相互に密接な関係性を保ちながら時代を越えて形成された空間。
「境(さかい)」― 空間を二分する機能をもつ。自然地形をもって引かれた国の境。
「境」が「間」に影響するのか。「間」が「境」へ変化を与えるのか。「境」を挟みつつ展開する「間」の世界に分け入り、地域の歴史をつむぎ上げる。
序文 廣瀬 良弘
刊行にあたって―大会成果論集刊行特別委員会
地方史研究協議会第六七回(妙高)大会 大会発表関連略年―大会実行委員会
第一章 「間」の特性と「境」
国境を越える信仰―妙高山と越後・信濃―笹本 正治
中近世の戸隠山とその信仰―「離山」と配札を手がかりに―遠藤 公洋
エゴ食文化にみる越後と北信地域-大楽 和正
第二章 「境」の形成と「間」
北陸道の越後国と東山道の信濃国-原田 和彦
戦国時代の戦争と「国境」-福原 圭一
近世初期藩領の形成と越後国・信濃国―松平忠輝期を中心に― 前嶋 敏
第三章 「境」の画定と「間」
元禄の国絵図作成事業と信越国境の村々-松尾美恵子
信越国境と在地秩序 ―寛文年間を中心に―小酒井大悟
信越国境と戊辰戦争 ―「浪人騒ぎ」をめぐる緊張と対応―荒川 将
明治期長野県の合併・分県・移庁論 ―交通インフラ整備と地域内対立―宮澤 崇士
大会の記録―大会成果論集刊行特別委員会