弥生への移行期に東北で形成された、日本最後の縄文文化である亀ヶ岡文化を広域的な観点から比較し、その歴史像を改めて考える。さらに、これまでの閉塞的な研究から抜けだし、今後どのように評価・研究すべきかを各論者が考察していく。
鈴木 克彦(すずきかつひこ)
弘前学院大学 考古学ジャーナリスト
1948 年生まれ
國學院大學大学院文学研究科考古学専攻博士課程途中退学
主な著作論文に,『遮光器土偶の集成研究』(2015 弘前学院出版会)などがある。
亀ヶ岡文化論の再構築 (鈴木克彦)
縄文・弥生文化移行期の社会変動 (藤尾慎一郎)
第Ⅰ章 北日本の縄文晩期 (亀ヶ岡文化)を俯瞰する
亀ヶ岡式土器とその年代観 (小林圭一)
東北・晩期の集落構成 (小林圭一)
安行文化の解体と亀ヶ岡文化 (鈴木加津子)
北陸の縄文晩期社会と社会組織
―掘立柱建物集落の形成とクリ材利用からの視点― (荒川隆史)
北海道の縄文晩期社会の特質
―道内地域差と遺構,遺物の文化― (澤田恭平)
大洞A・A' 式土器研究の現状と課題 (大坂 拓)
聖山式とタンネトウL 式 (土肥研晶)
東北「遠賀川系土器」の拡散と亀ヶ岡文化の解体 (齋藤瑞穂)
第Ⅱ章 晩期・亀ヶ岡文化の特質―晩期とその直後―
東北晩期の円形大型住居と社会組織 (武藤康弘)
亀ヶ岡文化の社会構造 (鈴木克彦)
亀ヶ岡文化・非階級社会の葬墓制―土坑墓群と多副葬遺物― (岡本 洋)
縄文から続縄文・弥生への移行期における葬送と社会 (相原淳一)
縄文晩期・変革期の亀ヶ岡文化における遠隔広域交流の意義 (鈴木克彦)
亀ヶ岡文化の土偶にみる 宗教構造の変化 (佐藤嘉広)
東北南部弥生初頭の青木畑式土器の意義 (木本元治)
大洞A' 式と砂沢式土器 (木村 高)