神話の世界から、吉原に代表される江戸の色町、いまや懐かしの昭和の性風俗まで、流麗な140余のイラストで描かれるエロスの日本史——
多くの文献をもとに、秘められた日本の“性文化史”を辿るロングセラー、待望の復刊!
文・画 笹間良彦(ささま よしひこ)
1916年、東京に生まれる。文学博士。
日本甲冑武具歴史研究会会長を務め、『図解日本甲冑事典』『甲冑鑑定必携』『江戸幕府役職集成』『足軽の生活』『歓喜天信仰と俗信』『弁才天信仰と俗信』『好色艶語辞典』(以上、雄山閣刊)ほか、著書多数。
緻密な取材、調査からなる文筆とともに、詳細に描かれたイラストは臨場感を伴いながら、写真では再現できない時代を描写することで定評がある。2005年11月逝去。享年89歳。
第一部 古代編
一 天地の始まり(『日本書紀』)
二 国生みの媾合〈美斗能麻具波比〉(『日本書紀』)
三 天鈿女命の露出踊り(『日本書紀』)
四 天鈿女命と猿田彦神(『日本書紀』)
五 倭迹迹百襲姫と大物主神(『記紀』)
六 夜這いの達者な大国主命(『古事記』)
七 弓削の道鏡(『日本霊異記』)
八 吉祥天像を犯す優婆塞(『日本霊異記』)
九 蛇に秘所を狙らわれる女性(『日本霊異記』)
一〇 写経中に女性を犯す写経生(『日本霊異記』)
一一 軍兵の凌辱・強姦(『将門記』)
一二 神に祈る愛法(『新猿楽記』)
一三 老妻の悶え(『新猿楽記』)
一四 性神信仰(『扶桑略記』『外記日記』)
一五 平安時代の遊女(『遊女記』)
一六 傀儡子の女性 ㈠(『傀儡子記』)
一七 傀儡子の女性 ㈡(『傀儡子記』)
第二部 中世編
一八 白拍子(『源平盛衰記』)
一九 宿駅の長者(『吾妻鏡』)
二〇 室君(三善清行『意見十二箇条』・『謡曲』)
二一 湯殿を覗見(『太平記』)
二二 清水坂の遊君
二三 南北朝頃の風呂屋の女(『太平記』)
二四 真言密教立川流(『受法用心集』)
二五 朝妻船(『山家集』『東の道の記』)
二六 立君(『七十一番職人尽歌合』)
二七 戦場に出張する遊女(『平家物語』『源平盛衰記』『太平記』)
二八 桃山時代の風呂屋売女(『慶長見聞集』)
二九 江戸時代初期の風呂屋売女(『慶長見聞集』)
三〇 風呂屋売女勝山(『好色一代男』)
第三部 近世編
三一 桃山時代から江戸時代の遊女風俗(『近世風俗志〔守貞謾稿〕』)
三二 花魁の服装(『近世風俗志』)
三三 江戸幕府公認の遊廓吉原(『近世風俗志』)
三四 花魁道中(『近世風俗志』)
三五 吉原夜の店開き(『近世風俗志』)
三六 吉原遊女の太夫(『近世風俗志』)
三七 遊女屋での遊び
三八 遊女の揚代
三九 遊女の股倉にせっせと金を運ぶ男性達
四〇 遊女の手練手管
四一 水茶屋女
四二 宿場女郎と飯盛女
四三 招婦
四四 芸者とその風俗
四五 芸者と箱屋
四六 料理茶屋
四七 女芸者
四八 深川大新地の芸者
四九 吉原羅生門河岸の局見世
五〇 金見世
五一 柿暖簾
五二 局見世(俗に鉄砲見世)㈠
五三 局見世 ㈡
五四 安宅の切見世
五五 大根畑
五六 地獄・白湯文字
五七 化契
五八 蹴転
五九 船饅頭
六〇 家鴨
六一 夜鷹 ㈠
六二 夜鷹 ㈡
六三 夜鷹 ㈢
六四 総嫁
六五 引張り
六六 提重
六七 綿摘
六八 熊野比丘尼
六九 蓮葉女
七〇 枝豆売
七一 あ鈍
七二 麥湯
七三 払い
七四 楊弓店の女
七五 女の意和戸
七六 やれ吹け ソレ吹け
七七 やれ突け ソレ突け
七八 蛇遣い女
七九 江戸時代の性具
第四部 近代編
八〇 乞食淫売婦お勝と土手のお金
八一 淫祠崇拝
八二 曖昧屋
八三 銘酒店の女
八四 新聞雑誌縦覧所の女
八五 射的屋の女性
八六 碁会所の女性
八七 売春も行なうカフェー
八八 撞球場の女性
八九 東京玉の井の私娼窟
九〇 地方の私娼窟
九一 東京浅草十二階下の私娼窟
九二 十二階下の待合風の曖昧屋
九三 ダンサー
九四 大森の砂風呂
九五 品川の遊廓
九六 兵士の慰安所
九七 従軍慰安婦(ピーヤ)
九八 売春防止法以前の玉の井の私娼窟
第五部 現代編
九九 終戦直後の猟奇的売春
一〇〇 パンパン・ガール(パン助)
一〇一 花束売りの少女
一〇二 額縁ショー
一〇三 ストリップ・ショー
一〇四 蛇遣いのストリップ・ショー
一〇五 お座敷ストリップ
一〇六 カストリ・バーの女性
一〇七 逆さ水母
一〇八 特殊なキャバレー
一〇九 モデル倶楽部
一一〇 白々
一一一 花電車
一一二 美人局
一一三 連込みホテル ㈠
一一四 連込みホテル ㈡
一一五 連込みホテル ㈢
一一六 乱交パーティ
一一七 野合と覗き
一一八 春画とエロ写真売り
一一九 大人の玩具屋(アダルト・ショップ)
一二〇 モーテル
〈付 録〉 近 世 編
〈付一〉 江戸時代遊女の値段
〈付二〉 隠し売女の異名
〈付三〉 春 画
〈付四〉 江戸時代色街と売春婦
古書参考目録