●地域住民が集い、観光の拠点となる新たな博物館とは?
●フィールドミュージアム構想を掲げ、窯業地の歴史や点在する関連施設、現在の波佐見焼ブームを活かしたまちづくりを目指す。
●さらに日本各地・韓国・中国の窯業地の博物館の特性や実践も取り上げる。
長崎県佐世保市在住。博士(学術)お茶の水女子大学。現在、長崎国際大学人間社会学部 教授・上海大学兼職教授。
著書『野外博物館の研究』『増補版 野外博物館の研究』(雄山閣)、『博物館実習教本』(長崎国際大学)、論文多数。
共編著『博物館と観光―社会資源としての博物館論―』(雄山閣)、『博物館実習教本中国語版』『博物館実習教本増補版』(長崎国際大学)。
共著『人文系博物館展示論』『人文系博物館資料保存論』『人文系博物館教育論』『博物館学人物史 上・下』『史跡整備と博物館』『神社博物館事典』『博物館学史研究事典』『博物館が壊される』(雄山閣)、『観光考古学』(ニューサイエンス社)、『考古学入門 下』(日本放送協会学園)、『人間の発達と博物館学の課題』『地域を活かす遺跡と博物館』(同成社)、『観光資源としての博物館』 『考古学・博物館学の風景』『京都学研究と文化史の視座』(芙蓉書房出版)。
受賞歴――加藤有次博士記念賞、ICOM UMAC AWARD 2019 SECOND PLACE、長崎国際大学ベストティーチャー賞
序 中島 憲一郎
刊行にあたって 一瀬 政太
第1章 郷土博物館の概念 青木 豊
第2章 波佐見町に博物館が開館するまでの経緯と既存博物館の問題点 中野 雄二
第3章 波佐見町に求められる新たな博物館の要件 落合 知子
第4章 地域文化資源の確認と保存と活用の場としての博物館
第1 節 陶磁器生産地における歴史的資源の種類と特殊性 盛山 隆行
第2 節 考古学資源の種類と特殊性 中野 雄二
第5章 地域博物館におけるフィールドミュージアムの必要性
第1 節 フィールドミュージアム構想と世界の窯野外博物館の再生 落合 知子
第2 節 波佐見町の文化的景観 鐘ヶ江 樹
第3 節 日本遺産「日本磁器のふるさと 肥前」と波佐見町の取り組み 松永 朋子
第6章 地域創生を目的とする大学との連携事業とグローバル活動
第1 節 長崎国際大学との包括協定 中島 金太郎
第2 節 上海大学博物館学研修の実践 牛 夢沈
第7章 窯業地における専門博物館の博物館特性
第1 節 美濃焼産地における土岐市美濃陶磁歴史館の活動 春日 美海
第2 節 伊万里市国史跡大川内鍋島窯跡の特性を生かした史跡整備について―フィールドミュージアムの将来活用― 船井 向洋
第3 節 石川県九谷焼美術館における九谷焼研究推進体制の現在 中越 康介
第4 節 「岸岳古窯跡群」の整備計画―佐賀県唐津市の取組― 陣内 康光
第5 節 益子町の窯業と博物館 坂倉 永悟
第6 節 韓国の窯業地における専門博物館―とくに京畿陶磁博物館を中心に― 田代 裕一朗
第7 節 中国景徳鎮の町並みと博物館 魏 佳寧
第8 節 杭州南宋官窯博物館と南宋御街 落合 知子
第8章 地域博物館に求められる博物館活動
第1 節 市民参加の博物館―地域住民が求める博物館とは― 山口 浩一
第2 節 行政と博物館(条例・ネーミング) 福田 博治
第3 節 教育行政と博物館 中嶋 健蔵
第4 節 中国におけるミュージアムショップの運営とグッズ開発 顧 思儀
第5 節 観光資源としての博物館 中島 金太郎
おわりに 落合 知子
陶磁器博物館一覧 甲斐 彩菜