季刊考古学・別冊36
心とアートの人類史
目次
序論 心とアートの人類史(松本直子)
第1 部 アート/ 技術,心/ 身体,自然/ 文化の分離を超えて
心・身体・社会をつなぐアート/技術(松本直子)
土器とホモ・サピエンスの心(中園 聡,平川ひろみ,太郎良真妃)
相互浸潤する物・超自然・人―芸術考古学の理論的視座―(石井 匠)
第2 部 環境・身体・社会をつなぐアート
縄文時代早期末~前期の漆文化とその特徴(工藤雄一郎)
人類のオセアニア拡散にともなう芸術表現の変化について―アオテアロア(ニュージーランド)を例に―(石村 智)
形の欠如から3 次元へ―ソサエティ諸島のイレズミにみられるティキの形状と信仰の変遷―(桑原牧子)
第3 部 社会の複雑化とアート
社会の変化と動物表象・造形の変化(上野祥史)
剣状刀子と剣先刀子の意義(ライアン・ジョセフ)
チャビン現象をどうとらえるか―アンデス形成期における宗教的信仰拡散のメカニズム―(松本雄一)
形成期のメキシコ盆地における土器の器種と文様の変化について(佐藤悦夫)
古代メキシコのパラダイム・シフトと技術革新―ピラミッドのフルモデルチェンジとマイナーチェンジ―(嘉幡 茂,ロペス・フリエタ)
第4 部 座談会
心とアートの考古学―人類にとってアートとは何か―(司会:松本直子 参加者:山極寿一,大西秀之,松木武彦)
松本 直子(まつもと なおこ)
岡山大学文明動態学研究所 教授
1968 年生まれ。九州大学大学院博士課程修了。博士(文学)。岡山大学文明動態学研究所長。著書に『認知考古学の理論と実践的研究』九州大学出版会,2000 年,『認知考古学とは何か』青木書店,2003 年,『縄文のムラと社会』岩波書店,2005 年などがある。