縄文時代から古墳時代にかけて、九州地方における考古学研究の主要なテーマについて、現状と課題、最新の研究動向をまとめる。
本文中に誤りがございました。
下記のとおり訂正し,深くお詫び申しあげます。
60 頁 図1
誤:溝口 2002 文献, p. 142, 図34.1
正:溝口 2022 文献, p. 142, 図4
61 頁
誤:人口支持率(carrying capacity)
正:人口支持力(carrying capacity)
九州大学大学院人文科学研究院教授
1958年島根県松江市生まれ。京都大学大学院文学研究科修士課程修了。博士(文学)。
京都大学文学部助手,愛媛大学法文学部助教授,九州大学文学部助教授をへて現職。著書に,『中国古代北疆史の考古学的研究』(中
国書店,2000年),『中国の歴史01 神話から歴史へ』(講談社,2005年),『遼東半島四平山積石塚の研究』編著(柳原出版,2008年),『中国初期青銅器文化の研究』編著(九州大学出版会,2009年),『農耕の起源を探る―イネの来た道―』(吉川弘文館,2009年),『東チベットの先史社会―四川省チベット自治州における日中共同発掘調査の記録―』編著(中国書店,2013年),『遼東半島上馬石貝塚の研究』編著(九州大学出版会,2015年),『東北アジアの初期農耕と弥生の起源』(同成社,2017年),『東アジア青銅器時代の研究』(雄山閣,2020年),『中国の歴史1 神話から歴史へ 神話時代 夏王朝』(講談社学術文庫,2020年),『東アジア初期鉄器時代の研究』(雄山閣,2023年)などがある。
総論
九州考古学の現在1―先史時代― (宮本一夫)
1 縄文時代
九州縄文文化の始まり―福井洞窟― (栁田裕三)
南部九州における縄文時代草創期土器編年とイベント・気候変動に関する研究展望 (桒畑 光博)
九州縄文時代における大規模集落遺跡の出現―アミダ遺跡における生業戦略― (福永 将大)
クロム白雲母製玉類の製作―熊本県菊池市・三万田東原遺跡の発掘調査から― (大坪 志子)
植物圧痕からみた九州の縄文農耕と栽培植物 (小畑弘己)
九州の無刻目突帯文土器の様相と刻目突帯文土器の出現 (宮地聡一郎)
耳栓からみた縄文時代日韓交流 (古澤義久)
2 弥生時代
弥生時代の始まりと支石墓・磨製石剣 (平郡達哉)
板付式土器の成立 (三阪一徳)
弥生時代北部九州の米 (上條信彦)
渡来的弥生時代人 (米元史織)
石斧生産と弥生社会 (森 貴教)
「漢委奴国王」金印 (大塚紀宜)
弥生時代の墓制 (溝口孝司)
弥生時代の小形仿製鏡 (田尻義了)
弥生時代のガラス製玉類 (谷澤亜里)
弥生時代の鉄製武器―刀剣研究を中心とした課題と展望― (立谷聡明)
楽浪系・三韓系土器からみた弥生時代の北部九州(森本幹彦)
弥生時代の板石硯 (久住猛雄)
3 古墳時代
古墳時代の鏡 (辻田淳一郎)
沖ノ島研究―世界遺産登録後の歩み― (福嶋真貴子)
九州における古墳時代人骨 (高椋浩史)
古墳時代の親族関係と儀礼 (舟橋京子)
九州の初期須恵器 (三吉秀充)
渡来系集落 (重藤輝行)
玄界灘沿岸における6・7世紀の武器と武装 (齊藤大輔)
九州における古墳時代の胴丸式小札甲 (松﨑友理)
古墳時代の馬具 (西 幸子)
島内地下式横穴墓群 (橋本達也)
南九州の地下式横穴墓 (吉村和昭)
九州の装飾古墳 (藏冨士 寛)
屯倉の成立 (菅波正人)
庚寅銘大刀と鋳銅鈴からみた元岡G6号墳の時代背景と東アジア (桃﨑祐輔)
船原古墳 (甲斐孝司)
壱岐島の古墳と副葬品 (田中聡一)