筆者は『古事記』・『日本書紀』の神話を王権の正当性を語る王権神話であると捉える。そして王権の成立・展開過程のなかに王権神話を位置付け、王権神話の成立・その過程・意義を論じていきたい。それこそが本書の目的・研究の視角である。(「序論」より)
舟久保大輔(ふなくぼ だいすけ)
1989年 北海道生まれ。
2022年 駒澤大学大学院人文科学研究科歴史学専攻、博士後期課程終了。
博士(歴史学)。東京大学史料編纂所研究支援員を経て、現在、駒澤大学非常勤講師。
主要論文「ヤマタノヲロチ退治神話と斐伊川」(『出雲古代史研究』39号、2023年)
第1章 天孫降臨神話の成立
第2章 古代王権におけるタカミムスヒ尊の位置づけ
第3章 天孫降臨神話の司令神の変更について
第4章 天孫降臨神話の降臨神について
第5章 『風土記』における国譲り・天孫降臨神話について
第6章 国引き神話とヤツカミズオミズヌ命―『古事記』・『日本書紀』と『出雲国風土記』の比較を通して―
第7章 「日の御子」思想の成立と意義
第8章 天孫降臨神話の「日向」と「高千穂」―『古事記』・『日本書紀』に見る他界観に着目して―
第9章 伊勢神宮の創祀とその伝承について
第10章 「天皇霊」と「皇祖之霊」
第11章 古代日本の天下と山野河海―『古事記』・『日本書紀』を中心として―