著者のライフワークである弥生時代の社会のあり方を展開する最新論考!
福岡県春日市の弥生時代中期の須玖タカウタ遺跡出土の複数の土器鋳型の新発見から、弥生社会における青銅器生産の位置づけを見直し、福岡県矢部川流域に産出する弥生時代後期の石製鋳型の分析から、青銅器生産体制、近畿・関東地方への広がりの様相を展開する。
田尻義了(たじり よしのり)
1996年 琉球大学法文学部史学科卒業。
2003年 九州大学大学院比較社会文化学府博士後期課程単位取得退学。
2013年よ り九州大学大学院比較社会文化研究院、アジア埋蔵文化財研究センター准教授。博士(比較社会文化)
《主要著書・論文》
『弥生時代の青銅器生産体制』九州大学出版会 2012年、「二里頭遺跡における青銅器生産体制」『中国初期青銅器文化の研究』宮本一夫・白雲翔編 九州大学出版会 2009年、「弥生時代小形彷製鏡の保有者と使用方法」『古代文化』第59巻第1号 2007年、「弥生時代小形彷製鏡の生産体制論」『日本考古学』 2004年
第1章 本書のねらいと構成
第2章 弥生時代中期における青銅器生産の定着と展開
須玖タカウタ遺跡出土鋳型の衝撃/定着しなかった青銅器製作技術/変容した青銅器製作技術 円環型銅釧の展開/弥生時代中期における青銅器製作技術の定着と展開について
第3章 弥生時代後期における青銅器の拡散
青銅器製作技術の広域拡散の様相/拡散した青銅器生産 関東地方における青銅器生産/青銅器製作技術の地域内拡散 藤木遺跡出土鋳型の検討/弥生時代後期における青銅器生産の展開について
第4章 弥生社会における青銅器生産の位置づけ
鋳型素材の加工と流通について/青銅器の鋳型と鋳型状製品について/青銅器生産と流通から捉える権力 相互予期と規制/青銅器祭生産の変化とマツリの変化
第5章 青銅器の生産からみる弥生社会
これまでの本書のまとめ/鋳型素材流通からみた弥生社会/おわりに