日本古代史の研究において必須である『日本書紀』。その『日本書紀』を多様な視点から読み解くために、日本列島・中国大陸・朝鮮半島の考古資料や考古学研究を援用する。東アジアという大きな視座で当時の日本を相対化することにより、周辺諸国からの影響・共通性や日本の独自性を浮き彫りにしていく。
門田 誠一(もんた せいいち)
1959年 大阪府に生まれる
1984年 同志社大学大学院文学研究科博士課程前期修了
佛教大学名誉教授、博士(文化史学)
〈主な著書〉
『古代東アジア地域相の考古学的研究』(学生社、2006年)、『文学のなかの考古学』(思文閣出版、2008年)、『高句麗壁画古墳と東アジア』(思文閣出版、2011年)、『はんこと日本人』(復刊、吉川弘文館、2018年)、『海からみた日本の古代』(復刊、吉川弘文館、2020年)、『魏志倭人伝と東アジア考古学』(吉川弘文館、2021年)、『出土文字資料と宗教文化』(思文閣出版、2022年)など。
〈受賞歴〉
1989年 日本海文化研究論文優秀賞(富山市)
2007年 第5回佛教大学学術賞
2023年 第13回日本考古学協会賞 大賞
第一章 物質と人の交流と交渉
第一節 文物交流とその背景
第二節 移入された物と地域像
第三節 武具・武器と装飾品にみる交流
第四節 軍事施設を示す語句と実態
第五節 人と物の関係と地域相
第二章 生業と社会の様相
第一節 住居の文化とその広がり
第二節 新羅の匠と新羅斧
第三節 刀剣と古墳時代の社会
第四節 東アジアにおける倭の製塩
第五節 銭貨と交換財の文化
第三章 生活と文化・習俗の背景
第一節 角抵と力士の文化的様相
第二節 香文化の東伝
第三節 文字文化と出土文字資料
第四節 身体変工の思想と背景
第五節 礼俗の姿態と考古資料
第四章 祭祀・儀礼の系譜と展開
第一節 桃の儀礼と祭祀
第二節 竈祭祀の系譜
第三節 殺牛の儀礼・祭祀
第四節 殉死と従死
第五節 倭の殯と東アジアの考古資料
第五章 宗教と信仰の実相
第一節 神仙思想・初期道教と雲母
第二節 日本古代仏教の淵源
第三節 仏教遺物と地域交渉
第四節 葬送と荘厳にみる仏教信仰
第五節 仏教・儒教と孝の展開