権力体としての国家を運営すると自負する支配層は、自己の存立を妨げる恐れのない教学に裏打ちされた政策を、被支配層への恩恵として施行し、己れに民衆教化を責務として課した。
この支配・被支配関係に表裏する教導・被教導関係の幾重もの網と、双方の鬩ぎ合いが、中国史を解くキーの一つである。
第1部 宗教信仰と中国の社会(台湾南部の功徳について;沙門存在の形態とその多様性;『龍虎山志』邵元節伝小考;清代清門羅教〓@4BFCと清水教・清茶門教)
第2部 統治の理念と政治の実相(「徳治」から「寛治」へ;元朝の郡県祭祀について;洪武帝の天命観と永楽帝の南征)
第3部 国家政策の施行と歴史の諸相(藩鎮昭義軍の成立過程について;清初における広塩の流通と国家政策;日清戦争前の清朝の国家主権に対する認識と態度;忠親王僧格林沁の死;清末民初の教育改革と湖南省;「三次革命」における「軍務院」の生成と消滅;江蘇合作事業推進の構造と合作社;現代中国の民族政策と「マルクス主義民族理論」の変遷)
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