江戸時代、幕藩体制の末端に位置し、命令系統の一翼を担い、支配が円滑に行なわれるよう秩序を守る立場にあった名主。
その役目を勤めあげた東北農村の旧家に残る文書類を利用して、当時の村の状況や人々の日常の暮らしぶりをミクロな視点からとらえる。
成松佐恵子 [ナリマツサエコ] 1939年東京都生まれ。1962年東京女子大学文理学部史学科卒業(日本近世史専攻)。1977?91年慶応義塾大学速水融研究室に勤務、古文書の整理・解読にあたる。1992?94年江東区古文書講習会講師。1992?現在、NHK学園講師
第1部 江戸中後期の農村のすがた(二本松藩と南杉田村;村の暮らし;多かった奉公人―南杉田村の奉公事情;交通をめぐる動き;藩の施政と藩体制の動揺)
第2部 土地と戸口―検地帳と人別帳から(土地に生きる人々;戸口統計;家族復元―七九一組の夫婦;個人のライフヒストリー―三、一一七枚の個人追跡シート)