「スペイン国立シマンカス総文書館・インディアス総文書館」その他所蔵文書、その他の史料を収録。
支倉使節団がローマ教皇に請願した内容とは何か。伊達政宗による使節派遣の目的を明らかにする。
支倉常長「慶長遣欧使節」の実像を探るため、メキシコ・スペイン・イタリアなど関係国が所蔵する原文書を博捜した訳者の半世紀にわたる学業を集大成した研究史料集の第2巻。
古典ラテン語・古典スペイン語など極めて難解な海外原文書を解読し、翻刻、邦訳、また詳細な解説を行った。
大泉光一 [オオイズミコウイチ] 昭和18年(1943年)、長野県諏訪市に生まれ、宮城県柴田郡大河原町で育つ。メキシコ国立政経工科大学(IPN)大学院を経て、インスティトゥト・デ・エストゥディオス・ウニヴェルシタリオス(IEU)経営大学院修了。博士(国際関係)。メキシコ国立自治大学(UNAM)東洋研究所研究員、スペイン国立バリャドリード大学客員教授、スペイン国立サンティアゴ・デ・コンポステラ大学大学院客員教授、スペイン国立バリャドリード大学アジア研究センター顧問、国立チリ大学客員教授・学術顧問、ペルー国立サン・マルコス大学客員教授、日本大学国際関係学部・大学院助教授、教授(1980?2007)、同大学生活科学研究所所長、大学院専攻主任等を歴任
「スペイン王立歴史アカデミー図書館」「ヴァティカン機密文書館」「メキシコ国立公文書館」
まえがき
凡 例
序 論
海外原文書が語る伊達政宗の慶長遣欧使節派遣の真相
―ロマンス語表記の原文書の正確な翻刻(翻字)・翻訳が不可欠―
1.海外原文書の翻刻(翻字)・邦訳および解釈の問題点
2.海外原文書の解読による使節派遣目的の定説を覆す主な論拠
第1章 スペイン国立シマンカス総文書館およびインディアス総文書館所蔵「慶長遣欧使節」関係スペイン語原文書の翻刻・邦訳および解説
第1節 奥州王イダテ・マサムネ及びヌエバ・エスパニア副王間で締結される和平協定(案)【1613年10月16日(慶長18年9月4日)付作成】
―幕府が容認したとは考え難い政宗の「申合条々(和平協定)」締結案文の内容―
第2節 徳川幕府と伊達藩合同編成の「訪墨使節団」からヌエバ・エスパニア副王グアダルカサール候に提示された使節派遣の経緯および渡航目的等を記述した覚書
《(副王)閣下が私たちのために、国王陛下、インディアス顧問会議および同議長に宛てて親切にもスペインに書き送ってくださるべき覚書》
奥州王伊達政宗からヌエバ・エスパニア副王宛書簡の写し
第3節 スペイン国王フェリッペ3世宛支倉六右衛門書簡【披露状】(1614年9月30日付、大西洋上の「聖ヨセフ号」発信)
第4節 フライ・ルイス・ソテロ師が国王陛下フェリッペ3世に送った書簡。(1614年9月24日付)
第5節 ヌエバ・エスパニア副王グアダルカサール候が国王陛下に宛てた使節の訪問目的に関する書簡に対するインディアス顧問会議の上奏文(1614年10月30日付、マドリード発信)
第6節 セビィリャ市長サルヴァティエラ伯爵からインディアス顧問会議のアントニオ・デ・アロステギ宛書簡(1614年11月1日付、セビィリャ発信)
第7節 支倉六右衛門がスペイン国王フェリッペ3世に「サンティアゴ騎士団」の団員に任命するように請願したことに対するインディアス顧問会議の国王陛下への上奏文(1615年4月29日付、マドリー発信)
―「サンティアゴ騎士団」の騎士任命の請願に秘められた目的とは―
第8節 慶長使節の請願に対するインディアス顧問会議の国王陛下への意見書(1616年4月16日付、マドリード発信)
第9節 フライ・ルイス・ソテロがインディアス顧問会議議長フェルナンド・カリージョに宛てた書簡(1618年2月3日付、メキシコ発信)
第10節 スペイン国王フェリッペ3世陛下宛てセバスティアン・ビスカイノ書簡(写)(1614年5月20日付、メキシコ発信)
第11節 日本の使節に関する枢密会議奏議(1614年11月22日付、マドリード発信)
第12節 ルイス・ソテロがジェノバから王室書記官フアン・デ・シリサに宛てた書簡(1616年2月9日付、ジェノヴァ発信)
第13節 支倉六右衛門常長がスペイン国王フェリッペ3世に宛てた書簡(1617年4月24日付、セビィリャ市発信)
第14節 支倉六右衛門常長のヌエバ・エスパニア副王マルケス・デ・グアダルカサール候宛請願書(1617年10月19日付、メキシコ発信)
第15節 「訪欧使節団」の日本語通訳フランシスコ・マルティネス・モンタネオの死亡・埋葬記録
第16節 ヌエバ・エスパニア副王グアダルカサール候宛ルイス・ソテロ、ペドロ・バプチスタ、ディエゴ・デ・サン・フランシスコの請願書(1617年11月28日付、メキシコ発信)
第2章 1628年初期にマドリードで印刷され、普及されたフライ・ルイス・ソテロ師のローマ教皇宛ラテン語書簡に関する異端審問委員会長官ドン・イバン・セビコス博士の覚書:(1624年1月20日、日本の大村市日付)
第3章 ヴァティカン機密文書館およびジェノヴァ国立文書館所蔵文書
第1節 日本のキリスト教徒のローマ教皇パウルス5世宛ラテン語訳書簡(1613年10月1日〔慶長18年8月17日付〕)
《第1項》日本語による日本のキリスト教徒の教皇宛書簡(ラテン語訳付)の概要(請願内容の概要)(イタリア語表記文)
《第2項》日本のキリスト教徒のローマ教皇パウルス5世宛日本語書簡のラテン語訳文の邦訳
《第3項》使節が教皇パウルス5世に請願した事柄に対するイタリア語による回答文書
―ローマ教皇による伊達政宗の「カトリック王」の叙任及び「騎士団の創設」の請願は拒否される―
第2節 1615(元和元)年10月12日、ジェノバに到着した日本島奥州王の2人の大使を表敬訪問した件(ジェノバ議会儀典録第2巻、1615~1638年まで(抜粋)
第3節 ジェノバ議会儀典録第2巻、1615~1638年まで(抜粋)(日本列島奥州王の2人の大使への表敬訪問)―
第4節 支倉六右衛門常長の秘書官小寺池(小平)外記のラテン語による洗礼証明書
第4章 慶長遣欧使節の随行員でヌエバ・エスパニア(メキシコ)に残留した伊達藩士ルイス・デ・エンシオ福地蔵人に関する文書(II)
第1節 ルイス福地蔵人の娘婿ファン・デ・パエスの遺言状(1676年1月27日付作成)
第2節 ルイス・デ・エンシオ福地蔵人の娘婿ファン・デ・パエスの埋葬記録(1676年12月15日付)
複写史料編
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