歴史的建造物の外観塗装材料として多用されてきたベンガラ顔料に着目し、その種類ごとの性状や製造法の分析結果をもとに、元興寺五重小塔から厳島神社社殿 まで奈良時代から近代に至る16の木造建築物に塗装痕跡として残るベンガラ顔料の使用状況や歴史的変遷の調査結果を詳細に報告する。全図版オールカラー。
※本書籍には新版がございます。
ベンガラ塗装史の研究【増補改訂版】
北野信彦 [キタノノブヒコ]
1959年名古屋市生まれ。1982年愛知大学文学部史学科卒業。(財)元興寺文化財研究所保存科学センター主任研究員、くらしき作陽大学食文化学部准教授を経て、(独)国立文化財機構東京文化財研究所保存修復科学センター伝統技術研究室室長。博士(学術・史学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
第1部 基礎編(赤土ベンガラ―文献史料に登場する「赤土」に関する基礎的調査;丹土ベンガラ―いわゆる「丹土」と称され るベンガラに関する基礎的調査;赤泥ベンガラ―豊後国風土記に記された「赤湯泉(あかゆ)」の赤泥状沈殿物に関する基礎的調査;パイプ状ベンガラ―パイプ 状ベンガラの生産と使用に関する基礎的調査 ほか)
第2部 応用編(元興寺五重小塔取り外し部材;海龍王寺五重小塔;平等院鳳凰堂;浄瑠璃寺本堂(九体 阿弥陀堂) ほか)