220p前後 / 21cm / A5判
並製・カバー
日本語誕生の時と姿に出会いたい。
いつ、どのようにして、私たちの“ことば”は形成されてきたのだろうか―。
列島を飛び交い営なまれてきた“ことば”が日本語として定着していく過程と、国家・国民の成立はどのように重なり合ったのか。
上野三碑(山ノ上碑、多胡碑、金井沢碑)からアプローチをはじめ、韓半島の石碑にまで考察の翼を広げながら、大いなる謎を紐解いていく。
序 章 日本語誕生の時に出会いたい
真の「国語元年」はいつなのか
特別史跡・上野三碑からのアプローチ
第一章 日本語を書き始めた人々―金石文にみる日本語表現の歴史―
飛び交うことばを治めんとして
過冷却の水が突然凍るように
改めて山ノ上碑の意義を問う
国語を持った国民の誕生
それは日本語と言えるのか、和文と言えるのか
第二章 国家は国語とともに―金石文が語る日本国誕生の構造―
多胡碑という存在
多胡碑に刻まれた国家意思
国家と地域―符合と乖離
金石文に刻まれた時代精神
第三章 韓半島金石文と国語表現―大きく異なる高句麗・百済と新羅―
高句麗に始まる韓半島金石文
漢文体に終始した百済
六世紀は新羅石碑の世紀
漢文体「回帰」を梃に洗練された「新羅文体」
終章 なぜ日本と新羅は統一国家になりえたのか
国民も国語・国家と共に
新羅と日本が国家統一をなしえた理由