近くて遠い時代、明治。
江戸時代の歴史と明治維新の関係性から説き起こし、文化的な側面に焦点を当てることで、明治時代特有の人間性・精神に迫る。
目 次
序
第一章 近代の成立と江戸時代
1 近代以前と封建制
2 江戸時代史の再検討
3 絶対主義王政と江戸時代
4 明治維新の性格と地主小作関係
5 近代国民国家の成立
おわりに
第二章 日本近代史学と筆禍事件
はじめに――戦前の歴史教育――
1 喜田貞吉筆禍事件
2 南北朝正閏論争
3 国史教育と日本精神論
4 近代史学の形成と那珂通世の紀年論
5 久米邦武筆禍事件
6 抹殺博士重野安繹・久米邦武・星野恒
第三章 『夜明け前』の歴史的考察――国学思想との関連で――
はじめに
1 『夜明け前』の批評と藤村の歴史意識
2 『夜明け前』にみる藤村の明治維新観
3 青山半蔵と国学思想
4 藤村の国学観
おわりに
第四章 藤村操の自殺と明治の青春
はじめに
1 藤村操の残したもの
2 藤村操の自殺の背景
3 藤村操の自殺をめぐって
4 藤村操と明治の青春
おわりに
第五章 乃木将軍の殉死と明治の精神
はじめに
1 殉死の系譜
2 乃木将軍の殉死の意味
3 乃木の殉死をめぐって
4 明治の文豪の乃木観
5 大正時代の作家の乃木観
おわりに――文明開化との関連で――
注 記
あとがき