緊張する古墳時代の国際関係、日朝の人と文化の交流を金工品から分析・解明
◆胡簶金具の型式学的分析を基礎に、百済・新羅・大加耶・阿羅伽耶・倭における地域性と地域間交流の様相を解明
◆近年急増する百済の冠と飾履を悉皆的に調査し、倭の冠と飾履の技術系譜が百済に辿れることを解明
◆倭における金工品生産の特徴を手掛かりに、渡来系工人集団をめぐる国際環境について考察
※巻末に韓国語による要旨を掲載
土屋隆史 (つちやたかふみ Takafumi Tsuchiya)
1985 年、京都府生まれ。
2008 年、早稲田大学第一文学部総合人文学科考古学専修卒業。
2010 年、京都大学大学院文学研究科歴史文化学専攻考古学専修修士課程修了。
2011 年~ 2012 年、韓国國立忠南大學校百済研究所客員研究員。
2016 年、京都大学大学院文学研究科歴史文化学専攻考古学専修博士後期課程修了。
2012 年~ 現在、宮内庁書陵部陵墓課陵墓調査室。
京都大学博士(文学)。
〈主要著書〉
『宇和奈辺陵墓参考地旧陪冢ろ号(大和6 号墳)』共著、宮内庁書陵部陵墓課、2017 年。
「日朝における胡籙金具の展開」『考古学研究』第59 巻第1 号、考古学研究会、2012 年。
「金銅製飾履の製作技法とその展開」『古代文化』Vol.64 No.4、古代学協会、2013 年。
「古墳時代における広帯二山式冠の出現とその意義」『日本考古学』第40 号、日本考古学協会、2015 年。
序 章 本研究の目的と課題
第Ⅰ部 朝鮮半島における胡簶金具の展開
第1章 胡簶金具の分類・編年・地域性
第2章 百済における胡簶金具の展開
第3章 新羅における胡簶金具の展開
第4章 大加耶における胡簶金具の展開
第5章 阿羅伽耶における胡簶金具の展開
第Ⅱ部 日本列島における盛矢具の展開
第6章 倭における胡簶金具の展開
第7章 胡簶の形態復元
第8章 平胡簶の出現過程と形態復元
第9章 靫金具の変遷
第10章 倭における盛矢具生産
第Ⅲ部 金銅製装身具の展開
第11章 金銅製飾履の受容と展開
第12章 倭における広帯二山式冠の出現過程
第13章 倭の金工品にみられるモチーフの系譜
終 章 倭における金工品生産と渡来系工人集団
参考文献/図版出典/韓国語要旨