京都における文化は、地域に根ざした生活の場において生成された地域文化であり、前近代におけるあらゆる社会諸階層によって育まれたという歴史的特質をもっている。
本書ではその多様性と歴史的重層性の体系を解き明かし、京都の地域像を問い直す。
京都という地域文化/目次
序文(廣瀬良弘)
刊行にあたって(大会成果論集刊行特別委員会)
第七〇回(京都)大会 大会関連地図
Ⅰ 京都という地域文化の原理
近世京都・祇園町の景観―祇園社境内祇園町の歴史―(下坂 守)
平安京・京都の市街地と周辺地域(山本雅和)
東寺境内の変遷と京都(新見康子)
Ⅱ 京都という地域文化の主体
織豊期の六角堂と池坊の「花」(細川武稔)
京都宿屋考―中近世都鄙間交流の拠点として―(野地秀俊)
京都盲啞院と町衆の相互浸透(岸 博実)
Ⅲ 京都という地域文化の周縁と外延
江戸時代の京都建仁寺境内における新地開発―六波羅新地の成立と借屋の形成―(小出祐子)
大仏柳原庄の加茂川浚(加茂川普請)(小林ひろみ)
桂川西岸における地域史の取り組み―乙訓郡誌の編さんを通して―(玉城玲子)
市民と共に学び考える地域史―京都府北部の地方都市から―(井口和起)
第七〇回(京都)大会の記録(大会成果論集刊行特別委員会)
執筆者紹介