遺跡から出土する陶磁器は、歴史資料「考古学陶磁器」として、遺跡との関係で地域・時代・階層の情報をその身にまとう。
本書はそれら資料に基づいた多様な研究法と新鮮な論点から語られる 生活文化史のシリーズ第15巻である。
佐々木達夫(ささきたつお)
1945年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科考古学専門課程博士課程単位取得退学。金沢大学教授、同学評議員・埋蔵文化財調査センター長を経て、現在、金沢大学名誉教授、古代学協会理事、日本考古学会評議員、石川県埋蔵文化財センター評議員。文学博士。
まえがき(佐々木達夫)
焼成不良品が語る珠洲焼の製品動態(垣内光次郎)
琉球における龍泉窯青瓷酒海壺型蓋罐(柴田圭子)
近世長崎の貿易陶磁―10期編年を中心に―(扇浦正義)
酒井田柿右衛門家が作った柿右衛門様式磁器の例証(大橋康二)
天草陶石の生産と流通(中山 圭)
対馬出土の貿易陶磁器からみた歴史像―木坂海神神社弥勒堂跡出土の共伴資料を中心に―(鈴木重治)
清代中国陶磁器を輸送した西欧諸国の東インド会社船(松浦 章)
胡椒壺、胡椒入り合子及びガラスビーズ壺―フィリピン、レナ・ショール沈船遺跡出土品の検討―(田中和彦)
東南アジア大陸部の在地土器と炻器―生産と意義―(L.Lefferts and L.A.Cort著 向井 亙訳)
ミャンマー南部からタイ中央平原にかけてのモン窯業の展開と変容―タイ・ノンタブリーの土器制作及び焼き締め陶器制作を中心として―(徳澤啓一)
青花磁器の道具による画法(陳殿・陳立)
陶芸家・濱田友緒:芸術と工芸の調和をもとめて(齋藤正憲)