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日本と古代東北アジアの文化 ― 地域社会における受容と変容 ―【普及版】

日本と古代東北アジアの文化 ― 地域社会における受容と変容 ―【普及版】

書名 : 日本と古代東北アジアの文化 ― 地域社会における受容と変容 ―【普及版】
編著者 : 川崎 保
価格 : 7,480 円
初版年月日 : 2023/10/25
ISBNコード : 9784639029472
在庫状況 : 在庫あり
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21cm/A5上製・カバー/392頁

内容紹介

日本列島の古墳時代から中世まで、遺構・遺物などの考古資料や文献史料の中に東北アジア地域(中国東北部・朝鮮半島・ロシア沿海州など)の文化の痕跡を探求し、その伝播経路、受容の実態と変容の過程を追う。

著者紹介

川崎 保 (かわさき たもつ)
1965年 東京都三鷹市生まれ
1982年 同志社大学大学院文学研究科博士課程前期修了
2018年3月 博士(文化史学)
現在 長野県埋蔵文化財センター 調査部長、長野大学非常勤講師
〈主要編著・論文〉
『縄文「ムラ」の考古学』(2006年)『「赤い土器のクニ」の考古学』(2008年)『「シナノ」の王墓の考古学』(2006年)『信濃国の考古学』(2007年)[以上編著:雄山閣]
『文化としての縄文土器型式』(2009年)『「縄文玉製品」の起源の研究』(2018年)[以上単著:雄山閣]
「縄文土器の形態と用途・機能の関係を探る」『古代探求 森浩一70の疑問』中央公論社 1998年
「古墳時代の埴輪に見られる東北アジア文化の影響」(『沿海州の中世遺跡』2号 2012年)
〈翻訳〉 イブリエフ著「日本の文献史料を通してみたシャイギン城跡のパイザ」(『古代学研究』175号 2006年 共訳)
姜 念思著「朝陽市黄河路唐墓出土靺鞨石俑考」(『博古研究』36号 2008年)
ヴォロビヨフ著『女真と金国の文化』ボロンテ 2018年(共訳)

目次


第一章 国家形成期 ― 古墳時代 ―
一 ハクチョウ形埴輪
  1 はじめに ― 古代「鳥」文化の考古学的分析 ― 
  2 ハクチョウ形埴輪
  3 小 結
二 埴輪にみる辮髪・送血涙・タカ
  1 はじめに
  2 井辺八幡山古墳出土の形象埴輪にみられる靺鞨・女真文化との共通性
  3 小 結 
三 鷹形須恵器
  1 はじめに
  2 鷹形須恵器
  3 池崎窯跡
  4 能登国分寺
  5 渤海の「鷹」
  6 「鷹」の尊崇
  7 まとめ ― タカが示す邑知潟低地帯における東北アジア文化の影響 ― 
四 シナノに来た東北アジアの狩猟文化
  1 突如登場する猛禽や遊禽類の造形
  2 ウマの文化と鷹狩、水鳥 
  3 東北アジアの文化が来た道
  4 古代シナノの鷹狩
五 天皇陵をなぜミササギと呼ぶか
  1 はじめに
  2 ミササギの語源と意味
  3 ササギの語源
  4 ササギは本当にミソサザイか
  5 墳墓と小鳥に関する伝承 
  6 考古学からみた古墳と小鳥 ― 埴輪における小鳥の造形 ― 
  7 まとめにかえて ― なぜ死んだ人が小鳥と化すように考えたか ― 
六 力士形埴輪と古代東北アジア角抵力士像との対比と考察
  1 はじめに
  2 力士形埴輪について
  3 北方系文化要素としてみた顔面線刻、髪型、葬送儀礼と相撲(角抵)力士 
  4 坊主頭の力士形埴輪
  5 耳飾りをした力士形埴輪
  6 小 結 

第二章 古代律令国家期 ― 奈良・平安時代 ―
一 長野市篠ノ井方田塔の考古学的研究
  1 はじめに
  2 篠ノ井方田塔
  3 方田塔をめぐる考古学的環境
  4 渡来系氏族との関係
  5 おわりに ― 方田塔の性格 ― 
二 古代「善光寺」造営の背景
  1 はじめに
  2 善光寺瓦の考古学的検討
  3 瓦からみた千曲川流域の古代寺院
  4 考古学と古代文献からみた信濃国分寺
  5 善光寺境内古代寺院の場合
  6 古墳時代以降の信濃の渡来系氏族
  7 まとめ
三 古代信濃の獣面文瓦について
  1 はじめに
  2 坂城町土井ノ入窯跡出土の獣面文瓦
  3 獣面文瓦の研究史
  4 地域における獣面文瓦の意義
  5 おわりに
四 「禾」墨書土器に関する小考
  1 はじめに
  2 「禾」墨書土器の全国の類例
  3 「禾」の意味
  4 信濃の「禾」墨書土器の例
  5 まとめ
五 信濃のオンドル状遺構についての一考察
  1 はじめに
  2 信濃のオンドル状遺構
  3 東アジアのオンドル状遺構
  4 オンドル状遺構と渡来系氏族
  5 信濃のオンドル状遺構の起源
六 古代信濃の鉄鐸についての一考察
  1 はじめに
  2 研究史  3 鉄鐸の類型(年代と地域)
  4 古代信濃の鉄鐸の分析
  5 問題点の整理
  6 まとめ
七 善光寺と諏訪信仰
  1 はじめに
  2 善光寺の中の神祇
  3 善光寺の中の諏訪信仰
  4 善光寺と諏訪信仰のかかわりとその意味
  5 まとめ

第三章 連綿と続く交流 ― 鎌倉時代以降 ―
一 『吾妻鏡』異国船寺泊浦漂着記事の考古学的考察
  1 はじめに
  2 越後国寺泊浦漂着記事からみた日本と金・女真との関係
  3 中世出土銭の分析 ― 金銭を中心に―
  4 まとめ
二 北辺をこえた女真人
  1 はじめに
  2 女真文字が書かれた『吾妻鏡』銀簡とシャイギンの『銀牌』
  3 女真文字の銀簡とその意味
  4 シャイギン城塞遺跡出土の銀牌
  5 遼金の金銀牌
  6 異国船の目的
  7 東夏国と中世日本 ― 北辺をこえた女真人 ― 
三 「渤海」文字資料からみた女真文字の起源に関する一考察 ― ヴォヴィン論文を中心として ―
  1 はじめに
  2 ヴォヴィン論文「完顔希尹が女真文字を創作したのか」の概要
  3 ヴォヴィン論文の文字の解釈について
  4 従来の渤海や女真の文字研究との対比
  5 まとめにかえて ― ヴォヴィン論文の意義 ―
四 遺跡からみた古代・中世の千曲川の水運
  1 はじめに
  2 文献からみた千曲川水系の水運
  3 千曲川流域の遺跡
  4 何を運搬したか、何が入ってきたか
  5 遺跡から推測する古代の水運
  6 まとめにかえて ― 文化の流入路としての水運 ―

結 なぜ日本に古代東北アジアの文化がみられるのか
 引用・参考文献
 図版・表出典
 あとがき

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