日本古来の「たたら製鉄」の発祥、江戸時代に独自の技術として花開いた高殿式たたら、その流れを汲む靖国たたら、そして現代の日刀保たたらまで、たたら製鉄の歴史を辿りながら、その特徴を科学的に分析する。
日刀保たたらの開設から携わった著者による実証的力作。
鈴木 卓夫(すずき たくお)
1945 年 神奈川県厚木市に生まれる。1967 年 明治大学農学部卒業、1978 年 日本大学文理学部卒業。2001 年 東京工業大学よりたたら製鉄の研究により博士号(学術)を取得。
(財)日本美術刀剣保存協会たたら課長、同協会新作刀展覧会審査員、刀剣研磨・外装技術発表会審査員、保存・特別保存刀剣審査員などを歴任。その他多年にわたり東京都刀剣登録審査員、東海大学体育学部武道学科非常勤講師(日本刀講義)に従事する。
主な著書
『作刀の伝統技法』(理工学社・1994、2016 年オーム社より再版)、『室町期美濃刀工の研究』(共著・里文出版・2006)、その他「たたら製鉄」に関する論文を多数執筆。
序説 たたらが来た道
第1章 たたら製鉄の開始期と導入経路に関する考察
第2章 たたら製鉄の衰退と復活
第3章 選定保存技術―日刀保たたらの技術記録
第4章 古伝書にみるたたら製鉄の記録
第5章 日本刀のできるまで
第6章 卸し鉄と、これに関する作刀資料
第7章 分析
第8章 和鉄の特質について