〈艶本〉〈好色本〉の誕生とその歴史的変遷を、江戸庶民文芸史として平易に解説した名著が、より読みやすくなってここに復刊!!
豊富な「書誌」情報や内容充実の「解説篇」、貴重図版も多数収載。
――艶本の意味するものは何か。
艶本が人々に対して魅力的な要素となっていた点は何か。
艶本の出現と時代世相のことなど、それはわれわれの生活風俗に決して無関係のものではない。
(「はじめに」より)
本書は、弊社より1969年3月に刊行した『性文学入門』、および1988年2月に改題出版した『江戸時代好色文芸本事典』を底本としております。
今回の刊行にあたっては、改めて底本をチェックし、原文を尊重しつつ明らかな誤字・誤植を修正、不鮮明図版の差し替えも行い、より読みやすくなるよう版面レイアウトを一新いたしました。
中野栄三(なかの えいぞう)
近世庶民風俗研究家
〈主な著書〉
■単著書
『珍具考』(第一出版・1951)、『陰石語彙』(紫書房・1952)、『旅枕五十三次』(紫書房・1953)、『江戸秘語事典』(雄山閣・1961)、『性風俗事典』(雄山閣・1963)、『遊女の生活』(雄山閣・1965)、『廓の生活』(雄山閣・1968)、『古画の秘所』(雄山閣・1968)、『性文学入門』(雄山閣・1969)、『川柳秘語事典』(檸檬社・1973)、『江戸時代好色文芸本事典』(雄山閣・1988)ほか多数。
(一)性と文学
(二)江戸文芸ものの展開
(三)浮世草子と好色本
(四)性文化と遊里書
(五)秘画艶本
(六)性典・秘戯書
(七)物語文学と咄本
(八)滑稽本と戯文
(九)川柳
(十)往来物
(十一)節用本
(十二)秘語と謎々
(十三)風俗出版の取締まり
【補】解説編