
26cm/B5判並製・カバー/50頁 ※オールカラー・コデックス装

南太平洋メラネシアのタパ(樹皮布)や編み布など、織物以前から伝わる手仕事による布と、オセアニアと日本の造形論への洞察を通して「染め」にしかできない表現を追求してきた福本繁樹、そして藍のもつ透明感や精神性を美術へと昇華し、近年では地方の生活と労働の中で作られ使われた古い自然布を用いた作品展開を見せる福本潮子、3つの作品群によって、布でしかなし得ない表現、ひいては表現媒体としての布の可能性について考える。青森公立大学 国際芸術センター青森[ACAC]にて開催された同展の展示図録。

1946年滋賀県湖北に生まれ、京都市中京区の職人の街で育つ。京都市立芸術大学専攻科西洋画専攻修了。学生時代から染色業自営。1976年より美術家として染色作品などを国内外で発表。2018年3月まで大阪芸術大学教授。現在立命館大学環太平洋文明研究センター客員協力研究員。
主著に『 メラネシアの美術』『 南太平洋・民族の装い』『 精霊と土と炎─南太平洋の土器─』『 「染め」の文化 染み染み染みる日本の心』『 布・染み染み 福本繁樹作品集』『 染色論のすゝめ』『 福本繁樹作品集 愚のごとく、然りげなく、生るほどに』(2019年度意匠学会賞) など。2001年度第14回京都美術文化賞、2021年度(第36回)大同生命地域研究特別賞。URL:http://shimijimi.net/