中央ユーラシアの草原地帯に分布する石人は、いつ、誰が、
何のために立てたのか――?
豊富な現地調査と研究成果をもとに、遊牧民の石像文化と文化交流の実態を解き明かす。
林 俊雄(はやし としお)
1949年生まれ。東京大学大学院人文科学研究家博士課程単位取得退学。現在創価大学文学部名誉教授、(公財)東洋文庫研究員。
論著に『文明と環境』第2・5・6巻(共著)、朝倉書店、1995・96年『岩波講座 世界歴史』第3巻(共著)、岩波書店、1998年『中央ユーラシアの考古学』(共著)同成社、1999年『古代王権の誕生』Ⅲ(共著)、角川書店、2003年ほか。
第1部 テュルクの石人
石人とはなにか?
石人の細部表現
石人に伴う石囲いと石列
石人は誰を表現しているのか?
石囲いあるいは土塁・溝で囲まれた施設は火葬墓か追悼施設か?
第一突厥期に石人はなかった?
石人はいつ出現したか?
石人はいつ頃消滅したか?
第2部 古代ユーラシアの石像いろいろ
ヨーロッパと西アジアの石像
スキタイとサルマタイの石像
中央アジア、シベリア、モンゴルの石像
中国の石像
中国・突厥・ソグドの三角関係
第3部 テュルク時代以降の石人
ポロヴェツの石人
モンゴル東南部の石人
イスラーム期以降の「石人」