中期では太田茶臼山古墳、後期では今城塚古墳を中心として古墳がつくられ、畿内の古墳時代を考えるうえで重要な地域のひとつとされる淀川流域。古墳前期から後期にかけての当該地域の実態と歴史的意義について考え、古墳時代政治構造を解明するための最新の研究成果をまとめる。
本文中の図版縮尺に誤りがございました。下記のとおり訂正し、深くお詫び申しあげます。
・128頁:図3 塚原古墳群の耳環【1/2縮尺】
・132-133頁:図4 塚原古墳群周辺遺跡の耳環(右・左)【1/2縮尺】
なお、正誤表図版が必要な方は雄山閣(contact@yuzankaku.co.jp)までご連絡いただけますようお願い申し上げます。
広瀬和雄(ひろせかずお)
国立歴史民俗博物館名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授
1947年京都市生まれ。大阪府教育委員会、大阪府立弥生文化博物館勤務ののち、奈良女子大学大学院教授。
主な著書に、『古墳時代政治構造の研究』(塙書房)、『前方後円墳の世界』(岩波新書)、『カミ観念と古代国家』(角川叢書)、『古墳時代像を再考する』(同成社)、『前方後円墳国家』(角川選書、中公文庫)、『前方後円墳とはなにか』(中公叢書)などがある。
梅本康広(うめもとやすひろ)
公益財団法人向日市埋蔵文化財センター常務理事兼事務局長
1966年大阪市生まれ。泉佐野市教育委員会勤務ののち、現職。
主な論文に、「長岡京」『恒久の都』古代の都3(吉川弘文館)、「山城・摂津」『古墳時代の考古学』2 古墳出現と展開の地域相(同成社)、「古代・中世寺院の浴室構造とその変遷」『日本仏教の受容と変容』(永田文昌堂)などがある。
季刊考古学・別冊39
淀川流域の古墳時代―太田茶臼山古墳と今城塚古墳をめぐって― 目次
序章 淀川流域の古墳時代をめぐる諸問題(梅本康広)
第1章 淀川流域の前期古墳
安満宮山古墳と弁天山古墳群(岩本 祟)
淀川左岸域の前方後円墳(下垣仁志)
副葬器物の履歴からみた三島の前期古墳群(森下章司)
土器から見た古墳時代前期の淀川流域(山本 亮)
topic1 紫金山古墳(茨木市)(清水邦彦)
第2章 大田茶臼山古墳の時代
太田茶臼山古墳の築造とその背景(梅本康広)
三島における葬制の展開と長持形石棺(上田直弥)
新池埴輪窯の展開と三島の古墳秩序(廣瀬 覚)
淀川本流域と北岸地域の古墳時代集落(笹栗 拓)
topic2 前塚古墳と摂津三島の古墳時代中期(原田昌浩)
第3章 今城塚古墳の時代
今城塚古墳と埴輪群像(内田真雄)
淀川右岸域の横穴式石室(広瀬和雄)
群集墳の特性―塚原古墳群を中心として―(横田真吾)
topic3 未盗掘の終末期古墳―阿武山古墳―(今西康宏)
終章 淀川流域の古墳時代(広瀬和雄)